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- 歯周病(ペリオ)
歯周病(ペリオ)は、慢性的な病気です。
軽度から中度までは痛みや自覚症状が目立たないまま、進行します。痛みや腫れの症状が出るのは重度になってからで、それまではあまり自覚症状が多くありません。これが慢性疾患の何よりの特徴で、またとても恐いところです。
歯周病(ペリオ)は、全身の健康と深い関わりが指摘されています。
「『歯周』とあるからには、歯の周りの病気だろう・・・。」そう思われる方が多いと思います。かつてはそうした認識が一般的でしたが、近年の研究ではそうではないことが分かってきました。
当院は歯周病を英語の「ペリオ」といいます。「ペリオ」はお口の中だけでなく、全身にも悪影響を及ぼします。
近年、「ペリオ」は、高血圧や糖尿病を悪化させ、動脈硬化による狭心症や脳梗塞の要因になることが指摘されています。さらに、リウマチなど一見「ペリオ」とは関係なさそうな病気とも、関わりがあるのではないかと指摘されています。「ペリオ」を治療することで、全身の健康状態に貢献する。これが、当院の治療方針です。
歯周病はどんな病気?
歯周病とは、細菌の感染で引き起こされる炎症性疾患の一つです。
歯と歯茎との境目(歯肉溝)に付いた食べかすを磨き残してしまうと、そこへ多くの細菌が溜まり(歯垢の蓄積)、歯茎の歯との境目付近が炎症を起こして赤くなったり腫れたりします(ほとんどの場合、痛みはほとんど感じません)。
そして、進行すると歯と歯肉の境目「歯周ポケット」が深くなり、歯を支える土台「歯槽骨」が減って歯が揺れ動くようになって、最後は抜歯するしかなくなります。
治療方法は?
1.予防診療(メインテナンス)
メインテナンスとは歯周病の再発を防ぎ、健康な状態に維持するための定期的なケアのことです。治療が済んだ後も、3~6ヶ月ごとの定期検診をおすすめします。
詳しくは、「メインテナンス」のページをご覧ください。
2.基本的な治療
歯周病の進行度合いがどの程度でも、すべての患者さんに最初に行う治療が、歯周基本治療です。病気の原因である歯垢および歯石を取り除き、歯根の表面をツルツルに磨いて、ぐらつく歯のかみ合わせを調整します。
3.外科的な治療
基本治療でも歯周ポケットの深さが一部で改善されず、内部に細菌が住み着いて歯磨きでは除去できない場合や、歯周病が進行してしまった場合は、外科的な処置を行います。目的は、歯周ポケットを浅くすることです。エムドゲイン法も、外科的な治療の1種です。
日本臨床歯周病学会による「歯周病セルフチェック」項目
- 朝起きた時、お口の中がネバつく感じがする。
- 歯磨きをした時、出血する。
- お口の臭いが気になる。
- 歯肉がムズムズする、痛みがある。
- 歯茎が赤く腫れている。(健康な歯茎は、引き締まっていてピンク色)
- 硬い食べ物がかみにくい。
- 歯が長くなったように見える。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間ができたりした。食べ物が歯に挟まる。
【3項目、該当】油断禁物です。通院とセルフケアで予防しましょう。
【6項目、該当】歯周病が発症・進行している可能性があります。
【全項目、該当】歯周病が既にかなり進行している恐れがあります。
エムドゲイン法(自由診療)
エムドゲイン法(自由診療)
歯周病で減ってしまった骨は、もう増えないのでしょうか?
歯を支える骨を再生できたら?
そうした患者さんにご提案するのが、エムドゲイン法(再生療法)です。
エムドゲインとは?
エムドゲインとは、ブタ歯胚組織を使って歯周組織の再生を促すお薬であり、歯周ポケットの深さが6mm以上ある方が適応対象です。科学的にリスク管理を徹底した環境で幼若ブタの歯胚から抽出精製したもので、様々な国で使用されています。そのメカニズムは、歯根を包んでいる膜(歯根膜)の再生能力を利用して、骨の再生を促すというものです。
当院では、エムドゲインが日本で注目され始めた頃から治療に使用しています。
1. 診断。歯周病によって骨が減った箇所を診査します。
2. 麻酔をし、歯茎の溝に合わせて切れ目を入れます。
3. 歯茎を丁寧にめくり、患部を見やすくします。
4. 歯石や細菌感染した歯質を取り除きます。
5. 患部を肉眼では見えないところまできれいにし、エムドゲインのお薬を塗ります。
6. めくった歯茎を戻し、縫合します。治療後に麻酔が切れても、痛みはほとんどないはずです。